達人 黄性賢の太極拳を現在に伝える
推手の名師 鄭顯気老師



文/中国武術WEB編集部 協力/鄭顯気 黄正斌




達人 黄性賢の太極拳を現在台湾で指導をしている鄭顯気老師
1955年6月全台湾の推手大会で優勝を果たした。しかし当時の鄭顯気老師は太極拳を
何も学んだことがなかったのだ。ようするに白鶴拳の技術だけで優勝したのである。
まさに快挙と言っていいだろう。鄭曼青→黄性賢へと伝わった技術の中にその秘密がある。





見よ!鄭顯気老師の新聞の紙を使っての発勁だ!


これが全台湾推手チャンピオンの実力だ!
達人・鄭曼青→黄性賢へと伝わってきた太極拳を見事体現している。


    



鄭子太極拳の創始者 鄭曼青大師(1901〜1975)  鄭顯気老師の師 黄性賢大師(1910〜1992)
楊家太極拳三代継承人・楊澄甫より太極拳を学び、「腕なし名人」   若い時から中国大陸で多くの武勇伝がある武術家であ 
といわれたその神技は、科学実証主義を第一とするアメリカ政府    ったが、後に台湾へわたり鄭曼青から太極拳を学んだ。
機関をも超能力ではないかと驚嘆させ本格的に実験の対象にした  そしてその功夫は楊澄甫をすでに超えているといわれたほ
    と言われている。  どなのである。


    



太極拳の「才朋 勁(ポンジン)」による発勁
鄭顯気老師の太極拳は「剛」の南派拳法といわれている白鶴拳とうまくマッチングしていて、「剛」と「柔」が兼ね備え
ている。矛盾しているように思えるが、中国武術の修練に重要な「放鬆(リラックス)」により共通点が見出せるのだ




「履」による発勁
化勁を使って相手を見事崩している。身体を「放鬆(リラックス)」することにより、スムーズに相手を崩せるのだ。




 南国の島台湾、台北市内にある新公園。早朝の6時、まだ公園内は人数が少ない。早朝の公園で「ピーピー」と口笛を吹きながら公園樹木に住んでいるリスに餌をあげている老人がいる。この老人は80は過ぎているのに木にいるリスに餌をあげる時の足の動きは軽快だ。しかし、この老人が只者ではないことは誰も知らない。そう、この老人こそ達人、黄性賢大師の得意弟子であり、1955年6月に開催された全台湾国術大会・推手部門において優勝した鄭顯気老師その人である。

  鄭顯気老師は1920年に、福建省林森県の出身。子供の頃より武術を学び。その後、国共の内戦により、1947年に船で台湾へ渡った。台湾へ渡った後に、同時期に台湾に渡った同郷の黄性賢大師に拝師し弟子となった。そして黄性賢大師より白鶴拳と鄭氏太極拳を学ぶ。
鄭顯気老師は黄性賢大師の台湾における開門弟子(最初の内弟子)であり、師・黄性賢大師はよく鄭顯気老師を連れて黄性賢大師の師である鄭曼青大師の所へ行き、太極拳の奥義を細かく指導を受けたという。この偉大な二人の大師から多く薫陶を受け、奥義を極めていった。

  それから、1955年6月に開催された全台湾国術大会・推手部門に師・黄性賢大師と鄭顯気老師の弟弟子である林宜文と一緒に出場して優勝を果たした。この大会は台湾だけでなく、香港、マカオといった地域からも武術家が参加し覇権を競い合った。師・黄性賢大師は重量級、鄭顯気老師は中量級と、黄一門はそれぞれ軽、中、重量級とすべて優勝を獲得したのだ。よって当時の武林界に黄一門の三傑は知られることとなった。
しかもすごいことは、当時の鄭顯気老師は太極拳は知らなかったこと、ようするに白鶴拳の技法だけで、全台湾から集まった多くの猛者を倒し優勝したのである。前代未聞といっていい出来事であるが、鄭顯気老師は「太極拳と白鶴拳は一緒に練習するといい。太極推手を使えるようになるには白鶴拳の技法があれば強くなれる」と淡々と答える。

鄭顯気老師の師である黄性賢大師は鄭曼青から学んだ太極拳を独自に発展させ、鬆身五法など独自の功法があるので、黄氏太極拳と呼ばれている。

なぜ?白鶴拳なのか?しかも、どうして南派と北派、剛の外家拳といわれる白鶴拳と内家拳の太極拳一緒なのか?といいたいところだが、しかし、鄭顯気老師はその言葉とおり、多くの学生をチャンピオンにしている。中には国際級の大会でもチャンピオンを輩出しているのだ。その名声と実績を慕って外国から多くの人が鄭顯気老師の門を叩いている。





鄭顯気老師の白鶴拳は非常に柔らかい。





中年の頃の鄭顯気老師
白鶴拳は歩幅のスタンスが狭く、詠春拳や五祖拳と同じように短橋狭馬の拳法である。
「鶴は飛べるほど、軽く、そして強靭だ」と言われるが如く、決して強く踏ん
張ることもないし、力むこともない。だから柔らかい手が必要なのだ。
そんな柔らかい拳だから柔の内家拳である太極拳と一緒に練習できるのだ。




白鶴拳とは?
南派拳術に属している。地味な動きだが強い! 数多ある中国武術の中でも、古伝の風格を失うことがなく簡素素朴ながらも実用技法のみを追求し集大成された拳法だと言われてる。また、意拳(太気拳)に大きな影響を与えており、白鶴拳の動作が取り入れられている。
短橋狭馬の南派に属す拳術で、鶴の動きを取り入れたと言われている。狭い歩幅のスタンス、短く鋭い手法を得意とし、鶴の翼の動きから取り入れられた五形手(木形手、火形手、土形手、金形手、水形手)に特徴がある。
鶴の各動作を主としていることから白鶴門鳴鶴拳、白鶴門食鶴拳、白鶴門宿鶴拳、白鶴門飛鶴拳と現在では4つの門派に別れている。

鄭顯気老師の師.黄性賢大師は白鶴拳が盛んな福建省の出身であり、若い頃より鳴鶴拳と白鶴詠春拳を学んだ。そして1934年福建省の武術大会で優勝した。大陸では多くの真剣勝負をした。戦時中に義勇兵を指揮し、福建侵入してきた日本軍に戦いを挑み、多くの戦利品を持ち帰り、地元の人から英雄と称えられた。その後1947年に台湾に渡り、鄭曼青の実力に感服し、弟子となる。その後シンガポールに移住する。1992年に亡くなるまで名声を博していた。



マメ知識
中国は大きく分けて北と南に区別でき、中国大陸のほぼ中央を流れる揚子江(長江)を境に分けて北と南、即ち「北派拳術」「南派拳術」という分け方をしている。
昔から中国での交通手段は「南船北馬」と言う表し方があり、南では川や運河が多いため船による移動が多く、北では馬がよく使われていたということ。
南北の武術を表す言葉に「南拳北腿」という言葉があり、南派は船の上など狭い場所で戦うことを想定して足を踏ん張って拳を多く使用し、逆に北派では足技が沢山あると言うこと。南と北では地域や風土が異なるので趣も変ってくる。





鄭曼青 (1901〜1975)
数々の神秘的な伝説があり、「腕なし名人」または「無招勝万招(技がないが、多くの技に勝つ)の拳」と言われている。
鄭曼青の拳は敵の攻撃を受けた瞬間に弾き飛ばす技が不要の拳法である。腕力とはまったく関係ないその神秘的の神技は、科学実証主義を第一とするアメリカ政府機関が、超能力、超常現象ではないかと驚嘆せしめ、本格的に実験の対象にしたと言われている。
楊家太極拳三代継承人・楊澄甫より太極拳を学ぶ。1938年に湖南省国術館の館長を務めた。その時に楊澄甫から伝授を受けた伝統の楊家太極拳を元来の精髄を損なわずに簡化して核心の部分だけを三十七式にまとめた。それにより鄭子太極拳として世に出ることとなる。
後に台湾にわたり普及に努める。鄭曼青は「夢の中で両手が折れたことで太極拳の奥義を悟った」と語っている。
またアメリカに太極拳を普及し広めた仙窟者であり、世界的に有名な太極拳家である。
鄭曼青は「五絶老人(詩、書、画、医、武の五つでかなう者がない)」と称され、多くの人から尊敬をうけていた。

黄性賢大師の推手が動画で見れるホームページがあります。発勁で弟子を飛ばしています。

◎60歳当時の黄性賢がプロレスラーアジアチャンピオンと試合し勝利する!





これが多くの太極推手チャンピオンを生み出した。放鬆の極意「鬆身五法」
黄性賢大師が長年の修練によって編み出したといわれている。これらの独自の功法があるがゆえに黄氏太極拳といわれている。
正しい修練を繰り返していくうちに太極拳で必要な放鬆(リラックス)を体得していくのである。

放鬆(リラックス)の極意「鬆身五法」第一法


    

    

       

これらの練功方法によって太極拳を実用的に使えるようにしていくのだ。
まさに達人 黄性賢の長年の修行によって完成された成果というべきか。

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太極拳の放鬆(リラックス)の極意でリラックスし...

    

    

    

鄭顯気老師の太極拳は白鶴拳の動きが取り入られている。
白鶴拳は南派の拳法に属し、実戦の強さで広く知られている。


チャンピオンが研究工夫の上で編み出したリラックスの極意
写真を見るとわかるが、「放鬆」だけではなく、太極拳で重要な「虚実分明」、「鬆腰鬆胯」等が要求される。
それのより自然と太極拳で戦える身体を作っていけるのだ!


    

    

相対練習

リラックスの奥義とは!?
上半身の脱力だけでなく、腰胯の霊活な動きを練りながら、化勁を使って攻防を繰り返し練習していくのだ。鄭顯気老師の所で練習されている双推手は白鶴拳の手技を用いているのだ。
南派拳法は一般的に動きが固いと言われているが、鄭老師の白鶴拳の動きは非常に柔らかく霊活である。
化勁だけでなく、「虚実分明」等の体重移動、そして「引進落空」などの技法により、相手の重心を操るのだ。


    

    

白鶴拳 火形手

鄭顯気老師一門は太極拳を練習すると同時に白鶴拳の発勁も練習する。
そうすることによって太極拳の「才朋 勁(ポンジン)」を体得するのである。



    

    

    

火形手で木を打ったり、壁を打ったりする。

むやみに力任せで打つのではない。白鶴拳独特の地根力を最大限に用いて体の中心から打つのである。
そうすることによって内から秘めたパワーを身につけていけるようだ。
鄭顯気老師の体をじかに触ってみたらわかるが、体から螺旋の力が出ているのがわかる。内勁である!

    




    

 「腕なし名人」と称された鄭曼青の流れを汲む黄性賢一門の太極拳の特徴は「鬆身五法」といった身体をリラックスする練功法があるというだろう。
リラックス(放鬆)は太極拳をはじめ、中国武術の修練において非常に重要なことであり、難しいものだといっていいだろう。真の「放鬆」を会得していない人は武術の完成はできないといわれている。

「放鬆」を会得しないと中国武術独自の内面の力を出すことができないし、「放鬆」をまったくしらないまま太極拳の型を何年も練ったところで、健身の効果もさほど出ず、却って膝や腰を痛めたりするケースが多く見られる。実用にしたって「放鬆」を会得しないと、太極拳の技法が使いこなせずに相手にやすやすと相手にやられてしまうのである。それはまだ力んいる状態であり、重心が胸や肩或いは腰に留まった状態であり、足の裏まで落ちてないからである。従って相手からの攻撃が来た場合、どうしても抵抗して力んでしまう結果となってしまうのだ。
その点、劈掛拳や通臂拳は徹底した身体を緩ます徹底したカリキュラムがあり、すぐれた拳術だといえよう。
しかし実際には「放鬆」って?と思ったことがある人もいるかと思うし、自分ではリラックスしているはずなのに、太極拳の先生から「まだ肩に力が入っている」とかうるさく注意された人が多いかと思う。

 鄭顯気老師一門は「鬆身五法」を徹底的におこなう。まさに「放鬆」を身につけるノウハウが備わっているのである。これらの練習を回数を重ねることによって真の「放鬆」を体得し内面の力を強く出せるようにしていくそうだ。
ようするに鄭曼青から黄性賢へと受け継いだエッセンスが集約してできた練功法といえるのである。
この「鬆身五法」の練功をおこない、完全に「放鬆」ができることにより、上体に力んで浮いていた重心を足の裏(湧泉穴)まで落とせるようし、そこから内家拳で強く要求される『整勁』を発することができるわけである。

 南派に属す拳術は一般的に足を踏ん張って立ち、力強い動きが見られるので、動きが「硬い」と言われている。
だが、南派拳術は「反清復明」の革命戦士が、誰でも即実戦に使えるように工夫されて作られており、「実戦技法」や打って鍛えたりする外功法、または「呼吸法」「運気」など気を練ったりする内功法などさまざまなカリキュラムが明確であり、合理的に構成されている。
よって多くの著名武術家も研究していたのだ。
たとえば、意拳の創始者である王向斎は意拳(太気拳)を作る際に、白鶴拳の動きも参考にしたほどなのだ。また通備門創始者、馬鳳図も南派の短打拳法と棍術をも研究し見識を広めたともいう。その他古今を問わず、多くの武術家が、白鶴拳といった南派拳術を研究したりしているのだ。
台湾や福建、広東といった地域は白鶴拳の一大勢力地であり、実際現地に行ってみると、「白鶴拳にやられた」といった声がよく耳にするし、日本で実戦派としてかなり書籍に出ている武術家も現地で白鶴拳にやられたとも聞く。

 鄭顯気老師は「白鶴拳は力を発する時は緊張するが、その他の時は太極拳のように弛ませる。太極拳はすべてにおいて弛んだままである、だから弛んだ状態の時双方がかなり共通するものがあり、一緒に練習できる」と説明する。
 古伝の風格を残しながら、合理的に作られている白鶴拳は「五形手」が根本により構成されている拳法あり、鶴が羽を広げるかのように、手技など柔らかい動きが要求されている。
最初に足の功力を高めるためにおこなう「三戦(※空手道の三戦立ちと似ているが、要求がまったく違う)」は重心を後7、前3と立ち、呼気をしながら、胸を含ませて、肛門を前前方へ引き上て、内功を練り、身体を作っていくのだ。また、白鶴拳で有名な「コォー」と息吹を出しながら全身を激しく震わす「白鶴震身」は呼吸法と運気等を用いているようだ。これらの内勁を練るのは、太極拳をはじめとする内家拳が最も重要視するものと多くの共通部分があるとみられる。また白鶴拳の相対の対打練習も柔らかくて粘り強い。まるで力を感じながら練っているようだ。力んだままガチンと強く腕をぶつけたりする南拳のイメージとはまったく違い、太極拳の推手のようであり、「沾、黏、連、随」と「聴勁」も要求されるという。これらのことと先ほど説明した「放鬆」のことも含め大いに太極拳と共通部分が伺えることができる。

黄性賢はこの白鶴拳を学んだ後に鄭曼青に師事し、長年太極拳と白鶴拳を練るのを経て、独特の功法を編み出しのである。
晩年の黄性賢は歩行が困難であったので、車椅子での生活であったが、車椅子に乗ったまま屈強な弟子を数メートルも吹っ飛ばしたのである。これはまさに内勁と言えるものである。






〜鄭顯気老師は台湾の台北市の公園で教えていましたが、ご高齢により2013年をもってご指導を引退をされています。



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東京では、日曜日は18時から、月曜日と水曜日は20時半から都内の山手線と京浜東北線沿いの施設で練習しているので、千葉や横浜方面の方も通われています!
茨城では土曜日夜間に、広島では金曜日夜間と日曜日朝に練習しています。

 太極拳の原理からリラックスするまで細かく分析しながら指導していますので、興味ある人は奮って練習に参加下さい。

60人以上の本場台湾のチャンピオンが実践済みです!!
心身をリラックスできますし、力を抜ききった状態で相手を倒す護身まで体得できます。

健康目的でも大丈夫です、動作は簡単でコツさえ知れば誰でも練習できます。

この練習体系は長年太極拳を学んでいらした方からも好評の声を頂いています!効率よく太極拳を練習してみませんか?

希望がありましたら、東京教室では個人指導も受けてくださるそうです。

詳しくは太極気功養生教室まで



老若男女、経験を問わず、どなたでも参加歓迎します!   ≫≫東京の練習写真はこちらから







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